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千の祈りのパラドクス レビュー

Ray[rei]

■制作:Ray[rei]
■ジャンル:未来へ維ぐための、ループ系乙女アドベンチャー
■ツール:吉里吉里2/KAG3
■評価:89

ありがたい事に公式サークル様が攻略へのQ&Aを記載してくれて
無事、エンド8も見れてぱらどすをコンプする事が出来ましたー!!
盲点でした、そのパターンはまったく思い至らずに試してなかったです。
そんな訳で『千の祈りのパラドクス』レビューとは名ばかりですが感想を書きたいと思います。


【ストーリー】

7月13日。

その日、私は東堂くんに告白された。
その日、私は知らない男の子に抱きしめられた。

その日、私は交通事故で死んだ。

その日から私は、未来へ進むことができなくなった。繰り返される7月13日。

「どこへも行くな」「一緒に行こう」

これは、未来を維ぐため、繰り返される「今日」の物語。


                                      (OHPより引用)


【シナリオ】
繰り返される7月13日の中で主人公は"死"の運命から切り抜けられるのか、というループもの。
題材としてはありふれた物ではありますが、繰り返される時間を上手く調理していて
同じ一日でも主人公はループ毎に前回とは違う行動を取ったりするので、
ループものにありがちな、ほぼ同じ展開なのにスキップ出来ない!状態に陥る事なく
一回ごとを新鮮に楽しむ事ができました。

ただ欲を言うのであれば「千の祈りの」というぐらいなら
もう少し全体のループ数が多くてもいいんじゃないかと思いましたが
多分それは私がループ作品に慣れすぎてて感覚が麻痺してるからです。
恐らくこの作品のタイトルの意味はあるルートに出てくる主人公からあるキャラへの想いが
あるいはあるキャラから主人公への想いがこの「千の祈り」に掛かっているのかなと解釈しています。

【キャラクター】
攻略キャラは4人
意味深な発言をする自称転校生、松本順
爽やか系同級生の東堂勇気
隣に住んでる年下の幼なじみ桐島拓斗
存在自体が謎な眼鏡の男

松本は突然主人公の目の前に現れて(主人公にとって)意味不明な事を仰るもんだから
松本の真意が分かるまでは何この人ストーカー?状態です。
2回、3回とループしていくうちに段々松本の真意が見えてきた時には
主人公への想いに胸が押しつぶされる思いでした。

攻略は制限が掛かっているキャラもいて
公式で推奨するところの松本→東堂→???→拓斗の順で進めていくと
各ルートのシナリオバレ的にも面白く読めました。

プレイ前は名前が明かされていない眼鏡の人が物語の主軸を握るキーパーソンかと
予想しておりましたが、いい意味で予想を裏切ってくれました。


【グラフィック】
少女漫画の絵柄っぽさで多少癖があるものの
老若男女のかき分けも出来ていて、塗りもとても綺麗です。
別項目でも記載していますが表情含め立ち絵差分の多さ
一回しか使われてない表情パターンもあるのでは?レベルに細かいです。
イベントCG数も充実していて、絵だけでも充分に魅力があります。

イベントCGでは主人公を仔犬のような目で主人公を見上げるたっくんとか
告白シーンでのたっくんのCGが好きです
……両方ともたっくんや

血の表現が結構生々しく描かれていて
苦手な人は苦手だろうけど、その容赦無い描きっぷりが作品に臨場感与えて非常に良かったです。
一番衝撃的だったのがとあるルートの主人公の足元だけを映したCGが文章と相まって
恐怖を覚えました。

【音楽】
フリー素材の音楽を含むものの、場面感での音楽の取捨選択が
非常に上手く、気がつけば作品に惹き込まれていきます。

主題歌もあり、プレイ後はその歌詞に込められた意味などが分かり
ここ最近の作業中はずっとループ再生してます
特にフルで聞くといいですね。

音楽鑑賞モードがないのが悔やまれますが、素材の権利関係もあって同人では難しいのでしょうか

【演出】
プレイしてまず目に飛び込んでくるのは
目パチをするキャラクターと台詞中でも変わる微細な表情変化
瞬きをさせるだけでも充分細かいのに、その中でもキャラクター達が
台詞内容に応じて細かく表情を変化させるので、一時もキャラから目が離せません。
主人公含めて全てにボイス有りなので、キャラクター達が本当に活き活きとしています。
また、キャラクターの立ち絵を表示させている時には背景を若干ぼかしたりと
視点に応じての場面演出が非常に丁寧でした。


【システム】
Qセーブ、Qロードを備えたADVの基本システムに加え
一つ前の選択肢に戻る機能があったり
セーブデータ保護に加えコピー&削除機能があったりと商業に見紛うばかりの充実しています。
システム周りのデザインも青を基調に配置等も見易くとても快適にプレイする事が出来ました。
特にセーブ画面のコピー・削除・コメント機能はデータ周りの管理がしやすく
非常に有り難かったです。
他にもプレイ中に作品の感想がいつでもつぶやく事が可能なツイート機能や
キーヘルプなど、随所にユーザーに対する心配りが見えて嬉しいです。


【雑談】
このゲームは発表当初からチェックしていてルート制限版などの体験版が出ても
本編を全部通して楽しみたい、完全版が出るまで待ち続けようと楽しみにしていた作品でした。
結果、期待を裏切られる事なく非常に楽しませていただきました。
FD展開等があるのか、今後も動向に注目していきたいです。


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