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firstcomplex レビュー

firstcomplex

■制作:TetraScope
■ジャンル:女性向け恋愛アドベンチャーゲーム
■ツール:NScripter
評価:90

主人公に非常に強いシンパシー…もとい魅力を感じてプレイ開始。
個人的に、ここまでハマるとは思いませんでした。
シェアの乙女ゲーですが、一つ一つ丁寧に作りこまれていて非常によく出来ています。

ただ何故かノートン先生に引っかかって実行ファイルが削除されてしまい
起動時、一瞬何が起きたのかと思いました。
Nスクでこの症例は初めてです。
何とか対象ファイルを除外して事無きを終えました。

↓以下詳細感想です。一部反転はありますがネタバレはありません。
【ストーリー】
―目を閉じて耳を塞いで、いつか忘れられると信じていたから

主人公、神坂実幸は、両親の都合により幼い頃に
過ごした街に再び転校してくる。
幼い頃の記憶は殆どなく、ただ前髪で顔を隠すキッカケがあった事を漠然と覚えているだけ。
それは、唯一自分を守る為の防壁であり、生涯消えない傷がある証でもあった。

登校初日、震える足を叱咤し向かう正門で、実幸は「校則違反だ」と注意してきた
青年の手を思わず振り払ってしまう。
それは冷酷無比で名高い来良瑞学園生徒会長…一寸木義継だった。

この出会いをキッカケにして
常に慎ましやかに目立たぬよう生活していた実幸の日常は一気に加速していく。

目まぐるしく移り変わるその先に、待っているものとは……

【シナリオ】
乙女ゲーでこの系統の主人公は珍しく
人によっては肌が合わないかもしれないです。
しかし、そこがこの作品の魅力であり、内向的ながらも
一つ一つの事に努力し、悩みながらも前に進んでいく
主人公の姿勢は非常に好感が持てます。
心理描写がとても丁寧で、主人公がどう感じて何を思っているのか
何を恐怖としているのか…それらが読みやすい文章と共に語られる為
ついつい感情移入してしまって、実幸と共に一喜一憂し問題に直面しながらも
最期には清々しい気持ちで終えられるものとなっております。

些細なことで慌てたり照れたり赤くなっている実幸は、とても可愛いです。

【キャラクター】
攻略キャラは先輩2人と同級生と後輩が1人ずつ
メインキャラはシナリオロックが掛かっており、他のキャラのエンドを
見た後でないと正規のルートが見られません。
初見では分かりにくいかも。

各キャラシナリオはオーソドックスに恋愛を絡めつつも主人公が攻略キャラの
問題に立ち向かっていく物や一直線に恋愛重視なもの、と様々です。
主人公自身のコンプレックスに焦点を当てたシナリオは先にも書きました通り
メインキャラの義継に集中しています。
今まで薄ぼんやりとしか分からなかった様々な疑問が最終シナリオで
一気に解決しくてい爽快感は良かったです。
(物語に言及する為、一応反転)
余談ですが蔀颯がプレイ当初、腹黒キャラかなと思ってたら普通に好青年でした、すみません。

【グラフィック】
癖が無くて馴染みやすい絵柄です。
立ち絵は、その差分の多さに圧倒されました。
コロコロと表情が変わる様は見ていて飽きません。
表情の細かさもさる事ながら、服装パターンの多さにも驚きました。
主人公の友人の三波ですらリボンの色違い、ウェイトレス(パティシエ?)服
私服、水着…etc、制服も季節を跨ぐ為か2パターンは用意されてます。
力の入れようが伺えます。

イベントCGは差分抜きで68枚らしく、分量的にも申し分無いです。
会長が他のキャラより若干多めです。
トゥルー2のエピローグCGが可愛くて気に入ってます。

【音楽】
スタッフロールを見る限りオリジナルで、曲数も豊富です。
ボーカル曲のアレンジが多い印象です。
特に各キャラのテーマ曲は、そのせいもあってか、どれも印象に残ります。
耳馴染んだBGMがEDでボーカル曲として流れた時の感動は半端ないです。
特に颯のテーマと灰原のテーマはお気に入り。
ボーカル曲はOP含め、どの曲も好きです。

BGMはここぞという時に雰囲気に合った曲が流れ、演出も相まって
物語を充分に引き立ててくれます。
何故、ムービー鑑賞はあってBGM鑑賞はないのか
サントラ発売したら買う勢いです。

【演出】
これといって大掛かりな演出はないですが
細かい部分がとても作り込まれており、制作者の拘りを感じさせられます。
同じ立ち絵表示でも、キャラが近くに表示された時は背景をぼかしたり
また、近接キャラの立ち絵をぼかして、遠くに居るキャラを目立たせたりと
視点を活かした画面の扱い方が上手いです。

他にも光る演出が幾つもあるのですが
あまり書くとネタバレになってしまうので詳しくは語れないのがもどかしいです。
とあるキャラのエンディングに掛けての演出が、予測は出来たものの、上手いと思いました。

【システム】
セーブデータ枠100箇所、クイックセーブ/クイックロード完備
システムバックログ、既読/未読スキップ
その他ADVに必要なシステムはひと通り揃ってます。
プレイ中はストレスなく進行できます。
実はクイックセーブ、ロードがあることをフルコンプ後に気づきました。

選択肢によってルートが決まる普通のADVタイプで、攻略はさほど難しくありません。
ただ、先にも書きました通り攻略制限が掛かっている部分もあるので注意が必要です。
エンディングもバット含め14種類なので、見応えがあります。

【総評】
小さいけれど、日常に潜むささやかな不安や悩み
壮大な展開は一つもないけれど、主人公の身に起こる
それらを、季節を追いながら丁寧に紐解いていくこの作品は
とても完成度が高いものとなっております。
徐々に一歩ずつ前へ進んでいく姿は、プレイしている側にとっても
勇気づけられると思いました。
笑いとシリアスのメリハリも取れていて、その意味でも、とても面白いです。
ネガティブ系主人公に抵抗がないのであれば、プレイしてみる事をオススメします。

【雑談】
体験版でいきなり淳が前後の会話の流れぶった切って「ここで体験版は終了です」と
言った時にはあまりに唐突でビビリました。
ところで彼、なんで攻略出来ないんでしょう?
非常に良い所で活躍して、助けて欲しい時、傍にいて欲しい時に
主人公の近くでサラッと後押しをする…いい奴なのに…
なんでしょう、このやるせなさは…ノーマルENDが淳エンドってことですか?
最近サブキャラが攻略キャラより好きになりすぎて辛いです。

プレイ攻略順は
灰原→虎太郎→(Normal)→颯→会長→(ハーレム)でした。
ハーレムエンドの3人のCGがこれまた可愛くて和みます。
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