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OZMAFIA!! 感想


OZMAFIA

■メーカー:Poni-Pachet SY
■シナリオ:ゆーます
■原画:さとい

OZMAFIA!!、最新のVITAではなくPC版での感想です。
…持ってないしね、VITA…
体験版自体はかなり昔にプレイして、マフィアものは興味ないしと購入までは漕ぎつけてない
作品でしたがグランドエンドが良いと言う話を最近聞きかじって、グランドエンドがあるゲームは良作
…という持論を信じ購入しました。

記憶を無くした少女、フーカとオズの国やグリム童話等の
童話の登場人物が織りなすマフィア抗争が主軸として進んでいくの本作
主人公フーカの一人称視点ではなく、3人称視点のタイプのシナリオなので
最初こそ違和感はありましたがすぐに慣れました。

目覚めて突然命を狙われ追われていた所“ライオン”のカラミアと“カカシ”のキリエが
勤めるマフィア『オズファミリー』に助けられそのまま客人として居候する事になります。
主人公の失った記憶とは? 命が狙われる理由とは? 多くの疑問がつきないものの
主人公と童話の登場人物達との恋が、幕を開けます…

(明確なネタバレはないものの、怪しい所は白抜きにしてあります)
■シナリオ
一日単位で進む日めくりカレンダータイプではなく
アイキャッチ単位でシナリオが区切られます。
“日曜”には攻略キャラクターを選択でき、その選択によってルート確定する作りです。
周回前提シナリオだからかアイキャッチで区切られるシナリオが短く感じ「え?ここで終わるの?」
って所でアイキャッチで区切られ、次のシーンへ映ってしまいます。
例えば“カラミアがフーカと共にチーズを買いに行く”描写はあったとして(うろ覚え)次の場面は
チーズを買うシーンかと思いきや何もなく、“買った後の話”へ
周回シナリオで“チーズを買う”シーンが読める…というもの。
細かい部分は間違ってるかもしれませんが、シナリオが小分けにされている為、頻繁にアイキャッチが
入る→結果シナリオのテンポが悪くシーン自体が短く感じ、時間の連続性があまり感じられなく
ぶつ切りな印象を受けてしまう…折角物語やキャラの掛け合いは面白いのにこの構成は少し残念です。
エンディングの入りが「え?ここでエンドロールが流れるの?」というルートもありますがエンド数がが多いのが良かったのか、総合的にみるとあまり気になりませんでした。

■キャラ
[フーカ]記憶喪失の主人公
脳内お花畑…いや、前向き好奇心旺盛、素直でいい子です。
ただ好き嫌いが分かれそうな主人公だなと思いました。
素直すぎて相手が気にしてる事でもオブラートに包まず、思ったまま口にするので思慮不足に思えたり
周りの助言を聞かず後先考えず何度も抗争に突っ込んだり…天然を拗らせてただのアホな子にしか
見えなかったり…いえ、主人公の事好きなので決して批判したくてしてる訳ではありませんが
なんと言いますか…フーカの一人称視点でシナリオが進めば今と違った印象を受けたかもしれません。
3人称視点の弊害か主人公なのに何を考えているかわからない…特に娼館シナリオ

[カラミア]勇敢なライオン
オズの原作では“臆病”とされているですが、ここでは一マフィアのボスであり堂々とファミリーを率いる
その姿にこれは本当にオズに出てきたライオンだろうか?と初回プレイでは戸惑いました。
頼れるお兄さんタイプで包容力があり心優しい、抜群の安定感があるキャラにホッとします。
読書中に眼鏡をかけるのは萌えポイントですか? とても良いと思います。
出来れば本屋さんに行く話を広げて欲しかった。
初回カラミアエンドを迎えるはずが、乗り換えルートの存在を知らず気がついたら
キリエエンドを迎えたのはいい思い出…騙されました。
カラミアに限りませんがとあるエンドではちゃんと“臆病なライオン”を踏襲してきて面白かったです
…その後が心配ではありますが。

[キリエ]脳のあるカカシ
ドS、毒舌、相手を不快にさせることにかけてはドリアンといい勝負ではないでしょうか。
始めは1言えば10の毒舌で返すキリエが苦手で、好きになる事は無いだろうな…
と思ってましたが真相ルートで180度見方が変わりました。
何だかんだ言ってフーカの事を気にしてたり、子供っぽい照れ隠しをする事もあって
憎めないキャラクターです。
グランドエンドで少しは報われたのかな? 

昔とのギャップが凄いです
“脳”を貰ったからこそ、こんなにひねくれてしまったのか…
声優さんの演じ分けはさすがはプロ。

[アクセル]心優しいブリキの木こり
彼、体験版の時点では怖い印象しかなく好きになれるか心配でしたがまったくの杞憂でした。
事件を経てのまさかのデレ、甘いもの好き、純情とまさかの可愛いキャラ
街角で猫を見つけて癒やされるアクセルを見て癒やされるプレイヤー…
フーカとの恋愛は初々しく実にニヤニヤできました。
眼鏡属性ないからか、外した方が格好よく見えます。
ブリキの木こりがなぜスイーツ…ひいては甘いもの好きなのか、掘り下げて欲しかったです
あんなに執着するからには何か理由がある気がします。

[スカーレット]赤ずきんのスナイパー
赤ずきん+猟師がモデル?
赤ずきん+狼はよく見かけるので猟師と合わせるのはマフィアが主軸の
この作品ならではと思います。
身長を気にする可愛らしい部分もありますが、果たしてスカーレットの望みが叶う日が
来るのかどうか…この作品の構造を考えると切なくなる部分があります。
生真面目で実直で可愛い、こういったタイプのキャラクターはとても好みです。
シナリオはいい意味でも悪い意味でも期待を裏切られました…
でもこの作品のタイトルが『OZMAFIA』なだけあって最終的には納得してしまいました。
スチルを見返していた所…唯一キスシーンが…ない?

[シーザー]
フーカが目覚めた直後、命を狙ってきたものの
行動目的が個別ルートで解決しない人。
獲物獲物言いつつ手懐けられてるあたり微笑ましいです。
真相ルートでまさかの…だからこそ惹かれ合ったのか。
個人的にシーザーさんが何故狼かと考えて
魔力が分散→森へ迷い込む→トトと同じように狼と融合→シーザー誕生
かと思っています(ネタバレ反転)

[パシェ]長靴を履いた猫騎士
長ぐつをはいたネコの原作自体読んだかどうか不確かで
ストーリーサッパリな訳ですが、他のキャラ同様モチーフとなった
作品を知っている必要はありません。
驚いたときに思わず猫語が飛び出すのがとても愛らしいです。
話自体他作品でもありそうな展開ではありますが、イマイチ中途半端さが否めませんでした
ですがパシェさんは可愛かったので良しとします。
マフィアの設定があるからこその展開や原作の話も取り込んでも良かったでは?と
原作知らないのに言います。 もしかして知らないだけで盛り込まれていたのだろうか?

[ロビン・フッド]
治せない病がない街のお医者様
あの広い街に医者一人って物理的に無理なのでは…と思ってしまうも
そこはお話だからですね。
医者なのに全身まっくろな風貌とサキエルっぽい仮面が特徴的
仮面外したらイケメンなの、知ってた。
でも一つぐらいはあの仮面状態のスチルがあってもいいのにと
仮面が好きな私は思っています。
ハッピーエンドでは主人公と幸せになって何よりです。
他のルートではずっと過去を引きずって生きていそうで悲しいです
主人公居なくてもいつかは立ち直ってほしいですね。

[マンボイ・アルファーニ・ドリアン]
俗にいう娼館ルート、3人まとめて一つのルートです。
マンボイさん…マンボイさんに救いはないんですか…あ、スピンオフ小説?
このゲーム報われない人は多々いるものの、マンボイさんもその一人だと思います。
“衝撃”とは聞いていましたが……はい、衝撃でした。
PC15禁限界まで挑戦しましたみたいなルートがこれな訳ですがvita版ではそのまま入ってるん…?
フーカの欄でこの娘何考えてるかよくわからないと書きましたが、本当に何考えているか分からない
マンボイさんが来るなと止めても(プレイヤーの選択のせいでもありますが)娼館に足繁く通い
案の定の結末になる訳ですが…でも主人ルートは好きです。
フーカのSっ気溢れるあのスチルがとても良い。
あの後どんな会話が繰り広げられたのか気になります。

[ハーメルン]
一番の被害者…ネタバレになってしまうので何をとは言えないけれども
まず街の住人全てが真実を知らず彼を糾弾してるのが辛い…
狂ってる姿や暴走している姿見てもただただ哀しいだけです。
ルートとは呼べないものの個別エンドはありますが、果たしてあれで幸せなのだろうか。
救い…救いが欲しい…vita版では救われるのか?

[ソウ]
どことなくフーカに似ている事に気づいて、もしや血縁者か?生き別れの兄弟か?
と考えてましたが……まぁ、違いましたね。
でもソウとフーカがどことなく似ているのには理由があって、謎で終わったソウルートの
真相もエピローグ・グランドを経て解決します。
OZの中で誰か一番好みか?と問われれば、まず間違いなくソウと答えます。
このタイプのキャラクターホント好みです。
何よりもフーカ(ひいてはドロシー)の事を考え
見守り、幸せを願っている…
だからこそエンディングがどちらも切なくあります。

■グラフィック
スタッフロールを見たらほどんどさといさんが原画、グラフィックお一人で担当していて
グラフィックだけは他に担当している方がいらっしゃるものの商業にしては珍しく
少数精鋭で凄いと思いました。
だからと言って枚数は少なくなく、多い方だと思います。
キャラの透明感のある塗りが特徴的でとても綺麗です。
通常に塗った後効果としてテクスチャを掛けているのかバストショットになると
細かい部分まで美麗グラフィックを堪能できたりして、PC版ならではの利点です。

背景も童話を取り入れているこの作品らしく水彩タッチで優しい色合いに仕上がっているものの
チェック模様の効果が薄く重ねられているので効果が入っていないバージョンも見てみたかったです。



■システム
ツールはYU-RIS
ウィンドウモードで画面の解像度を自由に変えられるツールなので地味に気に入っています。
基本的なシステムは揃っているのでストレスは感じませんが、キーボードで
ページ送り、巻き戻し、スキップだけではなくフルスクリーンからウィンドウへの解像度変更
各システムの呼び出し…QS、QL等操作できる範囲を増やして欲しかったです。
他作品で快適なシステムに触れるとそうでなかったとき欲が出てきてイカンね
最低限は揃ってるのでこれは贅沢と言えましょう。

周回プレイが必須な作りで、ルート間を何度も彷徨いました。
各キャラ個別エンド→エピローグ→グランドエンド開放と一見多く見られるタイプ構成
……ですがそこまでが長い道程です。
注意点…エンドリスト・エンド名が無いにも関わらず、エンディングが複数あり
辿りつくまでの過程が複雑なルートもある

いずれか一つのエンディングではなく、各キャラ最低2種類あるエンド全てを回収しなくてはならない
特にオズファミリーは特殊で、三角形ルートと呼ばれる乗り換えルートがあるので通常のハッピーエンドA・Bの他に乗り換えエンドA・Bも回収する…これがリストまでとは言わないでもエンド名があれば幾らか楽だったものの、自由気ままに攻略した為か、自分がハッピーエンドのAを迎えたのかそれともBを迎えたのかサッパリわからない。
判断基準はCGリストの空き具合…という所がちょっと辛かったです。
結局初回で自由気ままにプレイしたセーブデータは同じエンドに辿り着く為使えずに
攻略サイトのお世話になって全てのエンディングを見終えました…ありがとう攻略サイト。
この点、エンドリストとシナリオチャートがある最新版のvitaの方が快適になってるかもしれせんね
…というかvitaの実機がある場合、追加シナリオ・CGもあるそちらの方が新規プレイにはいいと思います。

■サウンド
なんということだ、この作品には標準装備されていると思っていたBGM鑑賞モードがないのだ!!
…というのはともかく、曲名は分かりませんが、童話をモチーフにしたこの作品らしい良曲が揃っています。特にこれ、という個性が強く耳に残る曲はありませんが、ゲームのBGMとしての役割はきちんと果たしています。
ボーカル曲で男性主題歌は珍しく女性向けでも男性向けでも、女性ボーカルが多いだけにマフィアを題材としたこの作品に男性ボーカルは合っていて格好良かったです。


■総合
やはり、グランドエンドがあるゲームは良作でした。
このゲームを何故いままで見逃していたのか…勿体無いです。
個別ルートでの謎をエピローグ・グランドで収束、解決していくワクワク感
あんなにウザったいと思っていたアイキャッチにも意味があります。
全体を通して、ここまでまとめられた作品は中々ないので、良い物をプレイさせていただきました。




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