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ラスト・ピュリファイ レビュー

ラスト・ピュリファイ

■制作:さんだーぼると
■ジャンル:自由の意味を問うADV
■ツール:吉里吉里/KAG
評価:86

※公式サイトに繋がらないようなので、バナーのリンク先はVectorになっています。

久々に、熱くなれる作品と出会えました。
商業と劣ることのないクォリティで、フリー
シェアウェアでもいいんじゃないか、という程出来が良いです。

ただこのゲーム、社会風刺を取り扱った作品でもあり、かなりアクが強いです。
そういった物に抵抗がある場合は、避けた方がよさそうです。
しかし、大丈夫だ、気にならない、むしろ現代社会のあり方に物申す、
といった方には是非とも触れて欲しい作品だと思います。

以下詳細レビュー折りたたみ↓
【ストーリー】
舞台は近未来、第三次世界大戦が起き
核戦争へと発展したそれは、この世界に置けるユートピア思想を決定付ける。
国ごとの堺をなくし、世界倫理機関が掌握した世界

宗教の禁止
暴力の禁止
あらゆる娯楽の禁止
そして”感情・自我”の抑圧

永久平和と絶対平等が基づく社会
主人公、未名守徹はそんな徹底された世界―倫理圏から離れ
気付けば灼熱の中を歩いていた。
乾きと餓えが限界に達し、行き倒れた徹を保護したのは
世界倫理機関の反対勢力が集う都市「東京」の防衛軍である学兵
流鏑馬淳と前田竜二だった。

倫理圏の人間でありながら、東京の人々と関わり合う内に
徐々に変化を生じ始める徹

―果たしてその先で徹の見たものとは?

【シナリオ】
まずは、非常にメッセージ性が強い作品です。
先に書きました通り、アクは強いですが
その分だけ制作者の訴えるものが強く伝わってくる作品だと思います。

1周目があまりに過酷すぎて、エンディングに到達した時には、ぽかーんとしていました。
もちろん1周目でも幸せではありますが、もう少し違った展開はなかったのか。
そんな望みを叶えるかのように、2週目があります。
1周目では無かった選択肢が登場し、それまでのノベル形式からようやくADVらしくなります。
徹自身の事も明らかになり、ここからが本番といったところ。
選択肢を選んでいく事により、少しずつ、少しずつ徹が前に進んでいくのが、嬉しかったです。
この話の設定は膨らませれば、二重にも三重にも違った展開も書けたのでしょうが
あくまでこれが未名守徹と東京の人々との交流を描いた作品である以上
2週目の結末で良かったのではないかと思います。
徹と東京の人達との交流は心に響くものがありました。

【グラフィック】
フリーゲームというのは大抵背景などは
素材やオリジナルであっても、写真加工が主なのですが
このゲームは商用同様・グラフィックによるオリジナルの背景です。
まずここからしてフリーだという事に驚きました。
舞台は旧台東区(現代の台東区)な訳ですが上野・秋葉原・浅草
それらの背景が詳細にグラフィックに描かれています。

キャラクターグラフィックはどちらかと言うとギャルゲーよりです
可愛らしく、表情も豊かで塗りも綺麗で丁寧。
イベントCGはシナリオの長さ程多くはないですが
ここぞという時な場面に挿入されるのでどれも印象に残ります。


【音楽】
背景もオリジナルなら、こちらも素材を一切使わないオリジナル
理想郷症候群(アルカディア・シンドローム)
LIVE’IN EARTHは是非とも歌(声)付きで聞きたかったです。

【システム】
機能に於いてはひと通り揃っており
バックログ・クイックセーブ・クイックロード完備・セーブデータ保護あり
未読・既読スキップ・メッセージウィンドウの不透明度調整など
プレイする上ではとても快適。
インターフェイスはブルーに統一されており、視覚的にも大変見やすいです。
ただ、別の視点でメッセージウィンドウが赤の時があるのですが
その状態は少々文章が読み辛かったです。(不透明度調整をすれば軽減されるかも)

【演出】
場面展開に合わせた演出・立ち絵の表示など、細かな部分がとても丁寧
時々挿入されるカットインなどが可愛い。
こちらはCGMODEには入らないので、少し残念。

【総評】
これでボイスが付けば完璧なんじゃなかろうか…
有料になってもいいから、一度フルボイスでやってみたいです。
歌などもありますし、特に二週目の終盤、ネタバレになってしまう為
詳しくは描けませんが、徹のあのシーンは是非声付きで聞いてみたい。

シェアでも良いと書きましたが、フリーだからこそ、手に届きやすく
多くの人に手にとって欲しいという事なのかと思います。
万人受けするかどうかは、意見が別れる所ですが
ここまで強いメッセージ性とストーリーを併せ持った作品なので
それだけでもプレイする価値はあると思います。

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